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が受信確認のために適切であるか否かは、取引当事者の判断だけで決定されるべきものである。取引当事者は、送信された各「メッセージ」に受信確認をする必要はないと決定することもできる。これらの決定は、受信確認に必要な費用を考慮して行われることが多い。

 

第3.2.1条は、「メッセージ」の受信確認を必要とするときは、当事者がその旨を「技術附属書」に指定することを要求している。「メッセージ」が実際に受信されたか否かを確かめる機会を発信者に与えなければならないので、「技術的附属書」では、二つの状況を想定している。つまり、(a)通常の過程で受信確認が必要な場合、(b)送信されたメッセージの中で、特に受信確認を要求された場合である。第3.2.1条に規定されているように、取決める事項には、受信確認の方法と種類、また必要なときは、受信確認がなされるべき期限が含まれる。

 

第3.2.2条は、受信確認をもって、関連する「メッセージ」が受信されたことの一応の証拠とみなすことを承認している。この原則のもとでは、反証が提出される可能性もある。国によっては、証拠法により、訴訟手続にある種の証拠を提出することに合意しても、これが承認されない場合があるので、取引当事者は注意されたい。

 

また、第3.2.2条は、受信確認が必要な場合の迫加義務を明確に述べている。第1に、受信者は、受信確認を送信するまでは、当該「メッセージ」に基づく行動を起こしてはならない。受信確認を送信できない場合は、受信者は、その旨を当該「メッセージ」の発信者に通知するか、または新たな指示を要求するものとする。原発信者(originating party)から新たな指示があるまでは、第3.2.2条により、受信者は当該「メッセージ」に基づく行動を起こしてはならない。したがって、ほとんどの場合、両当事者は、連絡が取れるまでは、中立の立場を保持することになる。指示は、電話、ファクシミリ伝送または書面の送付によって行うことができる。

 

 第2に、必要な受信確認を待つ原発信者については、受信確認を受信せず、新たな指示が出されていない場合は、原発信者は当該「メッセージ」が無効である旨の通知を行うことにより、これを無効とすることかできる。かかる通知は第7.6条の要件に準拠しなければならない。この権利は、そのメッセージが最初に「適切に伝送された」(“properly transmitted”)場合にのみ生ずる。

 

受信者に好ましからざる法的効力をもつ「メッセージ」(例えば、売主に対する欠陥商品の通知)もあるので, 第3.2.2条は、受信者が「メッセージ」を受信したときに、必要な受信確認の送信を行わないことによって、その「メッセージ」の法的効力を失効させることができないようにする。

 

第3.2.3条の規定の下では、「原メッセージ」(original Message)からその「原発信者」を識別できない場合にのみ、受信者は必要な受信確認の送信義務を免れる。原発信者を確定するために、メッセージに含まれるすべての要素を検討しなければならないが、そ

 

 

 

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